今回は舳先を飾る大金幣と龍頭のお話です。
今年の巡行は大金幣を掲げて行われました。
大船鉾は舳先に大金幣と竜頭を年毎に変えて掲げて巡行しています。
文化10年に制作された大金幣は禁門の変の火災の折にも守られ、現在まで舳先を飾っています。
金幣は厚和紙を貼り合わせ、漆箔を施したものを5枚重ねています。
青空の下、巡行時にゆらゆらと船と共に揺れる大金幣は光を受け、キラキラと光り輝いて
とても綺麗です。
京都の町の地下には大きな大きな水甕があると言われています。
その美しい水の上をゆったりと進む大船鉾を想像しながら、毎年巡行を楽しんでいます。
四条町はかって北四条町と南四条町に分かれており、大船鉾の出仕も年交替で受け持っていました。
北四条町が出す時は龍頭を、南四条町の時は大金幣を掲げていました。
しかし、残念な事に龍頭は禁門の変で焼失してしまいました。
焼失した龍頭は文化元年に制作されたもので、松村呉春の下絵によるものでした。
復興に向けて様々な調査の結果、伏見にある瀧尾神社の拝殿天井の龍の作者が、焼失した龍頭の作者である
可能性が高いと分かり、平成28年に復刻された折の力となりました。
向かって左が瀧尾神社拝殿の龍 向かって右が復刻された大船鉾の龍です。
今年は大金幣での巡行でしたので、来年は龍頭を掲げての巡行となります。
現在、龍頭は漆塗りと金箔押しの作業が進められており、来年には金色に輝く
龍頭がお披露目される予定です。
光輝く龍頭を掲げての巡行が楽しみですね。
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