
普段、私たちが何気なく通り過ぎる鎌倉の風景。しかし、その一つひとつの石碑には、歴史を守り、伝えようとした先人たちの熱いドラマが刻まれています。 6年の歳月をかけ、その声なき声に耳を傾けた研究者がいます。 私たちの仲間、岸本洋一さんの博士論文発表会は、あなたの鎌倉観を、そして歴史遺産との向き合い方を、根底から揺さぶるかもしれません。
【岸本洋一氏 特別インタビュー「博士論文、その格闘と発見の裏側」】
岸本様に研究の魅力とイベントへの想いをお聞きしました。(Q&A形式)
● Q1. なぜ、数ある文化財の中から「史蹟指導標」を研究対象に選ばれたのですか?
「私は、卒業研究で現代の文化財政策を研究対象として取り上げ、4つの都市の政策を比較し、考察を加えた卒論を書きました。修士論文では、卒論を踏まえた研究として、地元である鎌倉の文化財政策を取り上げてみたいと思い、まず、鎌倉の文化財政策史を近代まで遡りながら振り返ってみました。その作業のなかで、大正から昭和戦前期に造立された80基の「史蹟指導標」に出会い、興味を抱いたことがきっかけです。そして、とくに先行研究が見当たらず、研究対象としても非常に魅力的であったことから、修士論文の研究対象として選んだという経緯となります。」
● Q2. 6年間の研究で、最も困難だったことは何ですか?
「そもそも『研究とは何か』という根源的な問いにぶつかったことです。論理的に思考し、客観的な証拠を積み上げ、人を納得させる文章で書き上げる。それまで情的に生きてきた自分としては、思考の性向を一度壊し、研究者としてのロジック的思考に再構築するような、まさに生みの苦しみを味わいました。」
● Q3. 研究を通じて、最も心震えた「発見」は何でしたか?
「この石碑群は、戦前の青年団という20代から30代までの青年達により構成された組織が造立した石碑です。そして、そこには、鎌倉という自分たちの生まれ育った町に対する「郷土愛」がありました。それがいかに彼らの深い愛情に基づいた活動であったのかは、当時の青年団副団長が残した文章に残されています。そのあたり、詳細は、当日お話ししたします。」
● Q4. 発表の翌日に、なぜフィールドワークを企画されたのですか?
「私の研究対象は石に文字が刻まれた石碑という「石造物=モノ」です。そして、石碑は、実際に、造立した建碑者の選定意図により、鎌倉の80箇所の「場所」に、その「場所=史蹟」の意味が刻まれた文章とともに存在しています。このような「史蹟指導標」の「場所」と密着した石造物資料としての特性を鑑みれば、実際に現地で「史蹟指導標」を見ることによる理解度は、より深まると考えました。 前日に得た知識をもとに、実際に鎌倉の地を歩き、ご自身の五感で「史蹟指導標」と対峙してみてください。その時、私の発表が初めてリアルなものとして皆さんの心に届くと信じています。」
【体験価値の提示「このイベントで、あなたが得られる3つのこと」】
1.あなたの「知」を揺さぶる、最先端の研究に触れてみませんか?
仲間が情熱のすべてを注いだ博士論文。その最先端の成果に、発表者自身の言葉で触れられる機会は、そう多くはありません。 もしかしたら、今あなたが進めている研究のヒントが、あるいは、これから探求したい新しいテーマが、この発表会で見つかるかもしれません。あなたの知的好奇心を、ここで一気にアップデートしませんか。
2.頭で理解し、足で感じる。「本物」の学びを体験しましょう。
発表を聞くだけで終わらないのが、このイベントの醍醐味です。 翌日は、研究者本人と一緒に鎌倉の地を歩き、論文で論じられた「史蹟指導標」をその目で確かめに行く。昨日まで文字情報だったものが、目の前の風景と繋がる瞬間。知識が「生きた体験」に変わる、あの感動を。これこそ、私たちが歴史遺産学に惹かれる理由ではないでしょうか。
3.同じ情熱を持つ仲間と、心ゆくまで語り合いましょう。
何よりも代えがたいのは、同じ志を持つ仲間との再会ではないでしょうか。 研究の進捗を報告しあったり、キャリアの悩みを打ち明けたり、ただただ好きな歴史の話に没頭したり…。通信で学ぶ私たちにとって、顔を合わせて語り合える時間は宝物です。トークセッションや懇親会で、あなたの情熱を、仲間と交差させてください。
この知的な冒険(研究発表およびフィールドワーク)に、あなたも参加しませんか?
● 論文の完成はゴールではなく、新たな探求の始まりです。岸本さんの研究成果を分かち合い、語り合い、そして共に歩くこの2日間が、あなたの知的好奇心をさらに燃え上がらせることをお約束します。 横浜・鎌倉でお会いできることを、役員一同、心から楽しみにしております。
● イベント詳細・お申し込みはこちら
お申し込み締切は 【10月31日(金)】 です。 席に限りがある企画もございますので、お早めにお申し込みください。
回答フォームのリンクは、10月4日(土)に送信いたしました会員宛て一斉メールに掲載しております。メールをご確認ください。
なお、回答フォームのリンクを会員専用ページにも掲載いたしました。ログインのうえ、お申し込み下さい。
*会員専用ページ掲載URL:
2025年12月6日(土)・7日(日) 瓜生歴史遺産の会企画への参加申し込み書・回答フォームURLのお知らせ
*今回の企画についてのお問い合わせは、当会ホームページの「会員問い合わせ」からお願いいたします。
会員問い合わせ – 瓜生歴史遺産の会 (kuad-rekishiisan.com)
*参加して頂くには当会の会員である事が条件です。
*京都芸術大学通信教育部歴史遺産コースの現役生の方、卒業生の方ならどなたでも入会して頂けます。
この機会に是非ご入会をご検討ください。
新規入会申し込み – 瓜生歴史遺産の会 (kuad-rekishiisan.com)
皆様とお会いできることを、心より楽しみにしております。
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