
黒の種類は300種類!?
会場を入ってすぐのキャプションに、水墨画の竹を見た外国人が「黒い竹があるのか?」と尋ねたという逸話が。確かに!水墨画などモノトーンでの表現がなく、竹という植物を見たことがない西洋人には理解が難しかったようです。今まであまり考えた事はありませんでしたが、白黒の絵画や余白から想像力で情報を理解するのは、東洋ならではなのかもしれませんね。
この展覧会では、江戸時代の黒をテーマに有名どころの絵師たちの作品が贅沢に鑑賞できます。長澤蘆雪、伊藤若冲、酒井抱一、鈴木其一、谷文晁、白隠禅師、鳥居清長、などなど。
まずは夜の表現から。月の表現、影で表す夜、小道具表す夜などが紹介されています。
次に黒の技法。墨摺、拓版、ろうけつなど。伊藤若冲の「乗輿舟」や「玄圃搖華」などはこのコーナーで。
続いて墨の浮世絵では、黒を基調とした浮世絵が流行した時代があったとか。美人画の衣装がモノクロで描かれています。女性の装いなどの紹介もあり、興味深く鑑賞。顔のタイプごとの眉の描き方やスキンケアなどの本は今も昔も変わらない人の営みに親近感を覚えました。
そして最後の部屋では、電気がなかった時代の暗がりの中で金屏風を鑑賞できます!
鑑賞者が明るさや光のゆらぎを調節し、自分好みの光で鑑賞できるというありがたい装置も。
ろうそくの明かりを再現した光のゆらぎは当時の姿に思いをはせる贅沢な時間となりました。
■展覧会情報■
エド・イン・ブラック
板橋区立美術館
2025年3月8日(土)~4月13日(日)
一般650円、大学生450円、65歳以上割引あり
東京都板橋区赤塚5-34-27
板橋区立美術館
※入館料も図録購入も現金のみ
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