
※アイキャッチの写真:大原美術館中庭の睡蓮で、フランス・ジヴェルニーのモネの庭から株分けされたものです。
大原美術館にはたくさんの名画がありますが、最も有名な作品は、エル・グレコ《受胎告知》ではないでしょうか。マリアが天使ガブリエルから神の子を宿したことを告げられる劇的なシーンを描いています。
この夏に《受胎告知》の修復が行われており、国立プラド美術館から専門の修復家の方が招かれています。修復説明会がありましたので参加してきました。
今回は、時間経過によるダメージと過去の補彩を修復し、エル・グレコが描いた当時の姿に近づけることが目的です。害のない薬品を使ってクリーニングし、修復用絵具を使った補彩もオリジナル部分に影響を与えないように行います。
実際に使用されている薬品や道具も会場に展示していました。
修復は、事前に調査を行い、方針を決定してから行っており、最後に報告書を作成するそうです(このあたり、大学の授業で聞いた気がします・・・)。
修復前後の《受胎告知》のパネル写真も展示していました。修復後は色彩がさらに豊かで、光と影のコントラストが素晴らしく、より劇的なシーンになっていました。
↓ 左が修復前、右が修復後です
大原美術館では修復の様子を映像公開しています(修復工程1~4)
※YoutubeのためCMが入る可能性あります
https://youtu.be/TCqhGK85Pos?si=ZpHFhk-GkGfqwiq1
https://youtu.be/nF0eIINOVNo?si=3Q0MS0ma0lgyF5qp
https://youtu.be/WNIRZPPKtrY?si=I7CwMaaFIdUKuvaJ
https://youtu.be/bba43aKXkeo?si=o0zwAF5TvZizxS98
修復後の《受胎告知》を観に行くのが楽しみですね。
情報ありがとうございます。
エル・グレコの受胎告知は数ある受胎告知絵画の中でも、印象的な絵ですね。
修復後の絵を見ると、光が入って色彩も鮮やかで
また違った印象に思えます。
いつか行く機会があれば、見てみたいです。
昨年の夏、大原美術館の特別展「異文化は共鳴するのか」を見に行きました。学芸員課程で学んでいた時だったので、情報発信の様子をレポートの題材として取り上げたのを思い出します。美術品を展示することだけが美術館の仕事でないことを痛感しました。この修復動画もすごくおもしろいです!