歴史遺産を未来に向けて

<京都造形芸術大学通信教育部芸術学科歴史遺産コースのfacebookに2018/6月24日掲載記事を転載しています>

皆さん、こんばんは。
先日、KUADブログに史料見学会の試みを紹介させて頂きました。
https://www.kyoto-art.ac.jp/t-blog/?p=89691
芸術学科と芸術教養学科の合同企画として、実際に史料に触れてみようというものでした。

芸術学科に所属する歴史遺産コースは文化遺産や歴史文化を研究します。歴史遺産を未来に向けてどのように守り、伝えていくかを学びます。

史料を読み解き、地域の歴史を明かにするためには、今日まで遺されてきた史資料を維持・継承することが必要不可欠です。歴史遺産コースでは、史料を読み解く技法や、維持継承するための方法論を学ぶカリキュラムを用意しています。併せて史料を読み解くための史料講読ガイダンスを、東京と京都とで年三回ずつ開催し、学修のサポートをしています。

そして今日は、史料の整理について実習する補助プログラムを外苑キャンパスで実施しました。今回整理したのは、京都の旧家で所蔵されていた史資料です。歴史遺産コースの学部生を中心に30名ほど参加されました。

今回の史料群は、近代の紅茶輸出業に関わった家のものであり、近代茶業史を詳らかにする重要なものです。しかし、いままで顧みられることがなかった史料でした。そこで機会を得て、整理することになったのです。

午前に史料調査と整理についてのレクチャーを行ったのち、それぞれ史料を手に取り、目録をとりつつ封筒詰めをしてもらいました。史料群は約450点あったので、今日一日で総てを終えることは出来ませんでしたが、400点ほど整理することが出来ました。手つかずの史料を整理し、目録化を進めることによって、未来の研究に寄与することができます。正規のカリキュラムでは史料整理に関わる講義があるものの、じっくりと取り組むことはなかなかありません。研究室としては、学生の皆さんが卒業論文や修士論文の執筆の際に、経験が役立つことはもちろんのこと、卒業されたあとも地域の歴史遺産の守り人となるようにサポートしていきたいと思います。それが通信教育部での学びです。

 

こうした学修をサポートする補助的なガイダンスや勉強会を、今後も実施していきたいと思います。是非、ご参加下さい。

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