奈良県立博物館「超国宝展」のご紹介

奈良博で「超国宝展」が開催中です。奈良博開館130周年記念の展覧会です。

前期は終了しましたが、後期が始まっています。

仏教・神道美術に焦点をあてた展覧会、目がまわりそうにすごかったです。

会場に入ると、お出迎え下さるのが、すらりと天に向かって伸びるようなお姿の百済観音さま。ぐるりと回りを廻って拝見出来ます。光背の竹を模した支柱の造形も素晴らしい。下でくるりと翻る天衣ののびやかな事。

また、同じ法隆寺の天蓋の小さな天人さんは白鳳仏の可愛らしさです。持って帰りたい。

次に平安初期の法隆寺の地蔵菩薩さま。がっしりどっしりとしてよくある造形とは全く違う。あの混沌とした時代にふさわしいような。

東大寺を再興された「重源上人座像」はふっと立ち上がってもおかしくないと思うほどのリアル。このお姿で全国を廻って勧請されたのかと思う。

清涼寺の「「釈迦如来立像」は思ったより小ぶりでした。前に京博で拝見した時と少し印象が異なりました。でもお顔といい、衣といい迫力満点。

運慶の若き日の作「大日如来坐像」は何度拝見しても見飽きない、美しい。

それから長岡京にあったという、宝菩提院の「菩薩半跏像」も必見です。見た事のないような、髷の結い方、うねうねとした衣の襞。超絶的彫技。とても異国風。仏師は海の向こうの方でしょうか。

仏像以外にも若沖の絵画、平安仏画、絵巻、仏舎利、神像、豪華絢爛な写経、道長の金筒、などなど。最澄さん、空海さんの手紙が並んで展示されていて、お二人の性格が分かりそう。

石神神社の4世紀頃とされる「七支剣」。よくぞ残ってくれました。金で彫られた銘文が読めるなんて素晴らしい。

そして最後にお見送りくださるのが

中宮寺の「菩薩半跏像」少年のような優しく清々しいお顔と身体。左足先を少しあげておられるのは、釈迦入滅後、5億7千6百万年経った時まさに降りてこられるという時のお姿の様な気もします。

何度も何度も、展示会場を行ったり来たり。

是非、体力万全で来場して下さい。そしてチケットは事前に購入をお勧めします。

チケット売り場はかなり長蛇の列でしたよ。

 

展覧会情報
奈良国立博物館
近鉄奈良駅下車徒歩15分またはJR奈良駅・近鉄奈良駅からバス

2025年4月19日(土)~6月15日(日)毎週月曜日休館
一般2,200円、大学生1,500円、中学生以下無料

 

2 Comments on 奈良県立博物館「超国宝展」のご紹介

  1. 奈良博にいらしたんですね。先日、日曜美術館で紹介されていました。
    在学中に拝見したものも出ていました。投稿を読ませていただくと目に浮かびます。

    展示会場で拝見するとお堂の中などで見るのとは違って見えてきますね。
    大きさに圧倒されてり、精密さに驚いたりします。

    ご紹介ありがとうございました。

  2. 私も28~29日、一泊二日にて奈良博・大阪市立美術館・京博の『国宝展』を巡る弾丸ツアーに参加して三つとも見てきました。仏像では奈良博の展示内容が素晴らしかったです。特に百済観音が素敵でした。大阪市立美術館は展示が全て国宝であり圧巻でした。特に狩野永徳の唐獅子屏風が素晴らしかったです。京博は葛飾北斎の実物版画が見られてよかったです。三つにお気に入り順位を付けるとすれば①大阪市立美術館②奈良博③京博の順です。まだの方は是非お出かけください。

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